択の選び方

自分にしては珍しいタイプの記事です。

自分はあまりプレイが上手いというタイプの人間ではないですが、自分が択を選ぶうえでの考え方をについて書こうと思います。

 

 

 

話が少し変わりますが、将棋というゲームは日本人であるならだれでも知っているでしょう。このゲームのAIを考える上でそのAIの作者は評価関数というものを作ります。評価関数というのは、将棋における現在の有利不利、またはこの手を指した場合の有利不利、を点数付けする仕組みのことを指します。

 

おかしな話ですよね。なぜなら将棋は理論上、最善手が存在し、その最善手を打ち続けた時、必ずどちらかが必勝するはずのゲームですからこんなもの必要ありません。その場その場の最善手をコンピュータが知っていればいいだけですから。

しかし、この世の中にもなっていまだに最善手は解明されていないのは周知の事実でしょう。それはなぜか、簡単な話で、これを解明するにはコンピュータを用いても解析不可能な計算量をこのゲームは持っているからです。

 

そのため、AIを作る上で評価関数を作成します。では、Shadowveseにおける評価関数について考えてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやわかんねぇよボケって感じですよね。

当然です。この手は何点だとか点数の付け方を知りませんし点数の付け方の作り方を知りません。

てかたぶんこのゲームやってるやつみんなこれかなーーーり適当です。

名の知れた強者のあの人も、大会で優勝したあの人も、プロで活躍しているあの人もみーーーんな知りません。

 

でも、択は選ばなければなりません。発生する度フリーズしているようならもうカードゲームやめたほうがいいです。フォートナイトやりましょう。

 

その判断に用いるのがその人個人が持つ大局観です。

大局観とは、その人が現在有利不利の形勢の判断、そしてそれを判断してどういう行動指針をとるかというような判断をする能力のことを指します。

 

 

 

 

 

 

 

なんだか嫌な予感がしてきましたね。

 

 

 

 

 

 

 

これもみんな適当です。このゲームカス

でも、やりようがないわけではないです。Shadowverseをプレイし、考え、数をこなしていくことで養うことができます。

 

そしてもう一つ。

一応、いくらゲームの組み合わせパターンが計算量の爆発を起こしているとはいえど、2、3ターン先まではある程度予想できるでしょう。

人形Nmは後4Tor先5Tはリーシェナが最もやりたい手、AFNmを使っていてデウスエクスマキナを持っていて6Tにハンドを流したいなら共鳴調整する、蝙蝠Vが4Tに蒼炎の魔石を置いてきたから6Tにフラウロスが直接召喚で出てくる、といった事象は予測が可能で、それに対して現在打てる手立ての中で対応する、という選択肢があなたは可能です。

 

この大局観、先読みを用いて評価関数を設定し、判断、選択決定します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この二つを総合的に見積もって正確に評価関数を設定するのは人間には不可能です。

人間は先読みに大局観を添えるか、大局観に先読みを添えて判断することしかできません。

択を正しく判断することは人間には不可能であり、自分が常に択を正しい択を判断できていると思うのは傲慢に他なりません。

だからこそ、ソロでこのゲームをやるのは不可能です。他人との意見交換、共有を行い協力することが不可欠です。そして、

最高の評価関数を持つことができるのは最高の調整グループを持つ人間のみです。

人脈ゲーという言葉の重みはデッキ選択だけでなくゲーム中の択にまで影響するほど残酷で重いものです。

 

ではこれらのことを踏まえた上で実際に択を選びます。

 

自分は以下の通りに択を判断しています。

 

1.選択肢の洗い出し

2.盤面の状況評価

3.選択肢の評価

4.選択、決定

 

例として以下の盤面を利用します。

 

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@tina_sv_next さんと私がルームマッチをした時、窓に貼っていたものを無断でお借りしました。

今期幾度となく見た、原初ドラゴンvs蝙蝠ヴァンパイアです。リストはドラゴンはふぇぐさんが世界大会で用いたもの、蝙蝠は標準的なフラウロス3、翼2のリストです。

択多すぎですね。択を洗い出すのも一苦労です。ガルミーユ以外のすべてのカードが使うことのできる択として発生しています。

 

次に盤面の評価です。

相手は十分にこちら側の体力を削っており、また自傷回数を稼げているので、大局観的に見るのであれば相手に多少の削りと自傷回数を入れられ闇喰らいの蝙蝠で負けてしまうため、こちら側もリーサルを急がねばならない、ということがわかるでしょう。

盤面上にはこちらは多くの生き物が残っています。しかし、相手からは非公開情報である、こちらの手札には疾走札で強大な打点となるアジダハーカは存在せず、ライフを突如詰め切る、というのもデッキトップにアジダハーカが眠っていても不可能です。

相手視点からの評価はまた別となりますが、こちらの手札状況を加味した盤面の状況判断は非常に厳しいといっても差し支えないでしょう。

 

そして選択肢の評価です。

先ほども言ったように盤面の状況は不利です。大局観的には、こちらはリーサルを急がねばならない、しかも盤面からのみの打点でできれば8T、遅くとも9T以内が望ましい。そういった状況です。ここで選択肢の大きなポイントとなるのが

 

1.盤面の強さ、クロック

2.進化対象を誰とするか

3.フィルレインを使用する場合、吐息を切るか否か

 

ざっくりとこんな感じでしょう。

吐息を切るか否か、という択を提示したのは、吐息というカードが除去スペルであり、次のターンもフェイスに進化切ってリーダーに攻撃できる可能性が上昇するためです。

これらをポイントを踏まえた上で選択肢を評価します。

 

 

 

 

 

 

 

 

この盤面1分半じゃ足りなくね?

選択肢の洗い出しだけでも時間がかかったのにここで思考している時間はあまり多くは残されていません。あっという間に時間切れをしてしまいます。最善手を能動的に選択するのは不可能です。それで最善手を選択するのは運ゲーに他なりません。

ではどうするか、とりあえずぱっと見一番評価値が高そうな択を時間切れ防止予防のために一番最初に評価します。このぱっと見、というのも適当で選択肢評価の前に選択肢判断をする行為なためです。こればっかりは大局観と経験則以外では判断不可能です。

そして、この選択肢を赤円が出た瞬間に使う選択肢として残しておいて他の選択肢についてもじっくり考える、という方法を私はとっています。

 

実際ドラゴン側は最も最初に思いついたオルカと信者当て、フィルレイン吐息信者オルカ進化を選択しました。

 

 

まとめ

 

より正確な評価関数を持ち、選択肢を丁寧に吟味すること。これがより良い択を選ぶことにつながります。そのためにも、日頃から大局観を養いながらプレイする、そして、質の高い相手と意見交換、共有を行い、吸収することが重要になります。

 

 

明日の自分は、今日の自分よりもいい択を選べますように